付録C 責任分担マトリクス

付録C — 安全確保に係る責任分担マトリクス(全章共通)

Appendix C — Safety Responsibility Matrix (All Chapters)

✎ 修正 本付録はVol.1全章にまたがる横断的な責任分担を定義する。Chapter 3付録から全体付録(Appendix C)として格上げ。各章から本付録を参照する構造とする。

凡例(Legend)

記号 意味
● 主責任 主責任(Primary)— 計画の策定、解析の実施、および内閣府等への説明・申請を行う主体
◑ 協力 協力(Support / Comply)— 主責任者が定めた枠組みに収まるよう設計するか、データを提供する責任を負う
◎ 審査・承認 審査・承認(Review / Approve)— 相手方が基準に従って適切に実施していることを確認・承認する責任を負う
- 対象外 対象外(N/A)— 当該項目における直接的な義務を負わない

1. 安全管理

項目 HOSPO 打上げ 事業者 関連規制等 備考
安全管理体制(SMS)の構築 ● 主責任 ● 主責任 FAA Part 450 各々独立したSMSを構築・維持
運用安全計画(OSP)の策定・提出 ◎ 審査・承認 ● 主責任 FAA Part 450 / HOSPO 事業者が策定、HOSPOが承認
打上げ準備審査(FRR/LRR)の実施 ◑ 協力 ● 主責任 FAA Part 450 事業者主催、HOSPOがRange GOを判断
第三者賠償責任・Cross-Waiver ● 主責任 ● 主責任 宇宙活動法 / FAA Part 440 保険加入(事業者)・協定締結(両者)
独立安全審査(Third-Party Review) ● 主責任 ◑ 協力 Vol.1 §2.6 / SS-101 HOSPOが必要と判断した場合に要求

2. 飛行安全

項目 HOSPO 打上げ 事業者 関連規制等 備考
飛行コリドー・落下限界線(ILL)の設定 ● 主責任 ◑ 協力 FAA Part 420 射場が「飛んでよい枠」を定義
軌道設計・Ec/IR計算 ◎ 審査・承認 ● 主責任 FAA Part 450 事業者が計算、HOSPOが審査
飛行安全限界線(FSL)とFTSの証明 ◎ 審査・承認 ● 主責任 FAA Part 450 / RCC 319 RCC 319準拠のFTS信頼性証明
毒性拡散・爆風過圧(DPO)解析 ◎ 審査・承認 ● 主責任 RCC 321-23 / FAA Part 450 AEGI-2/ERPG-2基準との照合
COLA(軌道上衝突回避)解析 ◎ 審査・承認 ● 主責任 FAA §450.169 軌道投入ミッションに適用
LCC(気象打上げ制限基準)判定 ● 主責任 ● 主責任 FAA Part 450 / RCC 321-23 射場が観測データ提供、事業者が機体制限判断

3. 地上安全

項目 HOSPO 打上げ 事業者 関連規制等 備考
労働安全衛生・基本ルール ● 主責任 ● 主責任 労働安全衛生法 射場が全体ルール、事業者が作業員管理
PPE提供と訓練 ◑ 協力 ● 主責任 労働安全衛生法 SCBA等特殊装備は事業者責任
共有インフラの保守・点検 ● 主責任 ◑ 協力 建築基準法 / 消防法 事業者は借用設備を使用前に目視点検
爆発物サイトプラン(ESP)とQD確保 ● 主責任 ◑ 協力 FAA Part 420 射場がインフラ限界設定
ペイロード安全審査 ◎ 審査・承認 ● 主責任 FAA §450.45 Payload Hazard Summary提出必須
危険作業手順(Hazardous Ops)の策定 ◎ 審査・承認 ● 主責任 高圧ガス保安法 / 消防法 事業者作成、HOSPOがインフラ適合性審査
退避管理およびLOTO実施 ● 主責任 ● 主責任 GS-106 共同実施。インフラ接続部は両者でLOTO
電波・電磁波ハザード(HERP/HERO) ● 主責任 ◑ 協力 電波法 / SEC-102 事業者がRFプロファイル提出、射場が許可

4. 再使用機体固有要件(RLV)

項目 HOSPO 打上げ 事業者 関連規制等 備考
着陸後の機体安全化(Safing) ◎ 審査・承認 ● 主責任 FAA Part 450 / RLV-102 HOSPOは安全化完了まで接近許可を出さない
着陸リスク評価(Landing Risk) ◎ 審査・承認 ● 主責任 RLV-101 着陸Ec/IRを事業者が計算・証明
洋上回収船の運用・海域クリアランス ● 主責任 ◑ 協力 海上交通安全法 / RLV-103 HOSPOが海保と調整、事業者が船舶情報提供

5. 緊急時対応

項目 HOSPO 打上げ 事業者 関連規制等 備考
事故発生時の初期対応・現場統制 ● 主責任 ◑ 協力 FAA Part 420 / EM-101 射場が統制主導、事業者がハザード情報提供
安全関連データ・通信記録の保全 ● 主責任 ● 主責任 FAA §450.219 / SS-107 射場は音声・レーダー、事業者はテレメトリを保全
事故調査計画(AIP)の策定・実行 ● 主責任 ● 主責任 FAA Part 420/450 / EM-103 射場がインフラ被害、事業者が機体調査

6. 環境保全・社会適合・セキュリティ

項目 HOSPO 打上げ 事業者 関連規制等 備考
環境アセスメント(EA)の実施 ● 主責任 ◑ 協力 FAA Part 420 射場が実施、事業者は排出・騒音基準内で活動
地元協定・空海域調整 ● 主責任 ◑ 協力 RC-101 / Vol.3 射場が窓口、事業者は指定期間外打上げを要求しない
NOTAM/NAVTEX発出 ● 主責任 ◑ 協力 OPS-112 事業者がT-0・落下エリアを提供、射場が代表して発出
物理・サイバーセキュリティ対策 ● 主責任 ● 主責任 SEC-101/102 射場がゲート・NW保護、事業者がFTSリンク・暗号化
輸出管理(外為法/ITAR)遵守 ● 主責任 ● 主責任 外為法 / ITAR / SEC-103 物理的・情報的隔離措置を共同構築